猫はだいたい7歳ごろから高齢期に入ります。
だんだんと寝て過ごすことが多くなり、それに比例して食事の量も減るのが一般的。
ところが、老猫になって突然食欲旺盛になることがあります。
元気が出たのかと嬉しくなりますが、実はそれだけではないことがあるのです。
ここでは、老猫が食欲旺盛になる原因について説明していきます。
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老猫が食欲旺盛になる原因
ふつう、猫は年をとると少しずつ食べる量が減ってきます。
運動量が減って消費カロリーが減少しますので、食事量が減るのは自然なことで、心配はいりません。
ところが、急にたくさん食べるようになることがあります。
食べたばかりなのにほしがり、時には大きな声でニャーニャー鳴いておねだりすることも。
この突然の食欲旺盛さには、次のような原因が隠れていることがあります。
甲状腺機能亢進症
特に老猫で見られるのが、「甲状腺機能亢進症」と呼ばれる病気。
この病気は代謝の異常が起こり、食欲が旺盛になるほか、落ち着きがなくなり、攻撃的になるといった症状が見られます。
ぐったりして食べなくなると病気かもと心配になりますね。
ところが、甲状腺機能亢進症の場合はもりもり食べて動くようになるので、元気に見えてしまいます。
そのため病気に罹っていることが見過ごされがちになります。
飼い主さんは特に気をつけてあげてください。
進行するとほかの病気を併発することもありますので、思い当たる節がある場合は病院を受診してください。
糖尿病
カロリーの摂取過多や運動不足などが原因で、猫も糖尿病**になることがあります。
糖尿病になると、食欲旺盛になり、またたくさん水を飲んでたくさんおしっこをするようになります。
初期段階ではなかなか気がつきにくい病気ですが、しだいに食べているのに痩せるようになり、歩き方がおかしくなったりし、次第に元気を失うようになります。
痴呆症
少し意外に感じるかもしれませんが、猫も年をとるとボケることがあります。
すると頻繁にトイレを失敗するようになったり、部屋の中を徘徊するようになったりといった症状のほか、ごはんを何度も何度も要求するようになったりします。
おかしいなと思ったら獣医師に相談を
病気が疑われる場合は、動物病院を受診し検査を受けましょう。
甲状腺機能亢進症の場合は、ホルモンを調整する内服薬の処方や、場合によっては異常を起こしている甲状腺の切除などを行います。
糖尿病の場合は、血糖値のコントロールをすることが大切です。
療養食に切り替えたり、**インスリンの投与*を行ったりして治療をすすめます。
痴呆症の場合は治すことはできませんが、進行を遅らせることは可能です。
これも獣医師によく相談しましょう。
また、猫が暮らしやすい生活環境を整え、危険なものを片付けるなどの対処を行うことが大切です。
まとめ
老猫になっても健康に問題なく、しっかりご飯を食べてくれるなら喜ばしいことですね。
ただ、急に食べる量が増えた、異常にほしがるようになったなどの変化があれば、何か問題があるのかもしれません。
ふだんの様子をよく観察し、対応してあげましょう。