まん丸顔やユーモアなしぐさで“猫界のアイドル的人気”を誇るスコティッシュフォールド。
我が家でも2匹のスコティッシュフォールドを飼っていますが、その可愛さに飼い主はメロメロです。
しかし、その可愛さの裏には様々なリスクがあることをご存知でしょうか。
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「スコ座り」は、後ろ足の形成異常が原因?
猫好きなら、「スコ座り」という言葉を耳にしたことがある人は多いでしょう。
「スコ座り」とは、後ろ足を投げ出して座るポーズのことでその姿はまるで人間のよう。
我が家の猫たちもよくやっていますが、
風呂上がりのおっさんがソファで寛いでいるかのようで、思わず笑ってしまうほど愛らしい姿です。
そんなユーモア満載の「スコ座り」も、実は後ろ足の形成異常が原因なんです。
笑えない!「スコ座り」は痛みを軽減するため?
1961年にスコットランドの農場で飼われていた「折れ耳」の子猫・スージーからスコティッシュフォールドのルーツは始まりました。
おとなになったスージーが出産をすると、同じように「折れ耳」の赤ちゃん猫が生まれました。
なんとも不思議でかわいい「折れ耳」が遺伝することが判明すると、計画的に折れ耳の猫が繁殖されるようになりました。
そして、ブリティッシュショートヘアやアメリカンショートヘアなどとの交配を繰り返し、現在のスコティッシュフォールドという猫種が完成したのです。
しかし、その遺伝性の形成異常は耳だけでなく、カラダのさまざまな部位に発症することが分かりました。後ろ足もそのひとつです。
スコティッシュフォールドは、変形してしまった後ろ足の関節痛をやわらげるため、
足首に負担のかからない姿勢で座ると言われています。
その姿があまりにユーモアで「スコ座り」として知られるようになったんですね。
人間にとっては愛らしく見える「スコ座り」も、猫にとっては痛みを和らげるための体勢だと思うと、
「可愛い」「おもしろい」と笑ってばかりはいられません…。
痛みを伴う「骨軟骨異形成症」のリスクも
さらにスコティッシュフォールドは、
軟骨の形成異常が原因で「骨軟骨異形成症」(こつなんこついけいせいしょう)という疾患になる可能性も高いと言われています。
この疾患は、軟骨にコブのような骨瘤ができてしまうもので痛みを伴います。
そして、残念ながら現段階では形成異常を治す治療方法はなく、
投薬や放射線照射によって、痛みを緩和してあげることしかできないのです。
「痛い」と伝えられない猫にとって、この疾患はとても辛いことですよね。
まとめ
スコティッシュフォールドはとても可愛くて人気ですが、
このような痛みを伴う疾患にかかるリスクがとても高い猫種です。
とくに普段から「高い場所にジャンプできない」「高い場所から降りられない」「歩き方が不自然」という猫には注意が必要です。
もともと、穏やかで気性がおとなしい猫種で行動もおっとりとしていますが、
そのような行動は痛みのサインという可能性も捨てきれません。
我が家の猫も、1年に1度は健康診断でチェックしてもらうようにしています。
猫が少しでも平穏な生活を送れるよう、できる限り環境を整えてあげたいですね。